プロジェクトの作成
まずQt Creatorを起動します。
Qt Creatorでは、「ファイル」→「ファイル/プロジェクトの新規作成」→「プロジェクト」内の「アプリケーション」→「Qt Widgets Application」を選択します。
ウィザードが以下の6ステップを案内してくれます。
- パス(プロジェクトパス):プロジェクト名と場所を選択します。
- ビルドシステム:Qtで使用するビルドシステムを指定します。
- 詳細(Class Information):基本クラスの情報と生成されるクラス名の指定。
- Translation(Translation File):翻訳言語とファイルの指定。(国際化しない場合は不要)
- キット(キットの選択):プロジェクトが対象とするプラットフォーム(デスクトップ、Androidなど)を選択します。
- 概要(プロジェクト管理):新規プロジェクトをサブプロジェクトとして設定し、自動的にバージョン管理システムに追加する設定を行えます。
プロジェクト名以外はデフォルトで構いませんが、プロジェクト名には「todo」や「TodoApp」などのそれらしい名前をつけてください。
ウィザードが完了するとQt Creatorはいくつかのファイルが生成され、Project階層ビューでそれらを確認できます。
.proファイルはQtのプロジェクト設定ファイルです。Qtがqmakeを実行する際に使用されます。(その結果Makefileが生成されます)
基本的な.proファイルには、一般的に以下のような内容が含まれます。
- 使用されているQtモジュール(core、guiなど)
- ターゲット名(todo、todo.exeなど)
- プロジェクトテンプレート(app、libなど)
- ソースとヘッダとフォーム
QtとC++14の組み合わせにはいくつかの素晴らしい機能があります。GCCとCLANGコンパイラの場合は、C++14を有効にするには、次に示すようにQtプロジェクトファイル(.proファイル)でCONFIG += c++14を追加する必要があります。
QT += core gui
greaterThan(QT_MAJOR_VERSION, 4): QT += widgets
CONFIG += c++14
DEFINES += QT_DEPRECATED_WARNINGS
#DEFINES += QT_DISABLE_DEPRECATED_BEFORE=0x060000 # disables all the APIs deprecated before Qt 6.0.0
SOURCES += \
main.cpp \
mainwindow.cpp
HEADERS += \
mainwindow.h
FORMS += \
mainwindow.ui
qnx: target.path = /tmp/$${TARGET}/bin
else: unix:!android: target.path = /opt/$${TARGET}/bin
!isEmpty(target.path): INSTALLS += target
MainWindow.hとMainWindow.cppファイルはMainWindowクラスのヘッダとソースで、ウィザードで生成されたデフォルトのGUIが含まれています。
MainWindow.uiファイルは、XML形式のUIデザインファイルです。Qt Designerを使用するとWYSIWIGエディタで簡単に編集することができます。
ここでmain.cppを示します。
#include "mainwindow.h"
#include <QApplication>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication a(argc, argv);
MainWindow w;
w.show();
return a.exec();
}
当然main.cppにはプログラムエントリーポイントがあり、次の2つのアクションを実行します。
- メインウィンドウをインスタンス化して表示する
- QApplicationをインスタンス化し、ブロッキングメインイベントループを実行する
これは、Qt Creatorの左下のツールバーです。
これはtodoアプリケーションをデバッグモードで実行する際に使用します。
- プロジェクトがデバッグビルドモードになっていることを確認します。
- ハンマーボタンを使ってプロジェクトをビルドします。
- 緑色の再生ボタンを使ってデバッグを開始します。
すると空っぽのウィンドウが表示されます。このMainWindowがどのように構築されているかを説明したあとで、これを修正します。
空っぽのMainWindowのスクリーンショット
Qt tip
- Ctrl + B(Windows/Linux)またはCommand + B(Mac)を押してプロジェクトをビルドできます。
- F5(Windows/Linux)またはCommand + R(Mac)を押してアプリケーションをデバッグモードで実行します。